編集だより

打つ手は無限

今日出会う言葉

「打つ手は無限」
すばらしい名画よりも、とてもすてきな宝石よりも、もっともっと大切なものを私は持っている。
どんな時でも、どんな苦しい場合でも、愚痴を言わない。参ったと泣き言を言わない。
何か方法はないだろうか、何か方法はあるはずだ、周囲を見回してみよう。

いろんな角度から眺めてみよう。人の知恵も借りてみよう。
必ず何とかなるものである。
何故なら打つ手は常に無限であるからだ。
~滝口長太郎〜

今回の「今日、出会う言葉」はオギノがご紹介します。
もう何年も前に買ってずっと読まずにいた本です。たぶん5年以上前に買っていたと思います。
コロナ騒動で飲食店の方が試行錯誤しながら色々と実践されているお話を聞いて、自然とその方に向けて出た言葉が「打つ手は無限」でした。
『そういえば、そんなタイトルの本があったな!』と本を探して読んでみました。
いま読むと非常に面白く胸を打たれます。読む時期によって捉え方や響くところが違うのが、読書の妙ですね。

あらすじ

牟田學さんの著書 「打つ手は無限 変貌する社長業」の前書きにあった言葉。
牟田さんが父親のように慕う滝口長太郎さんの座右の銘です。

滝口長太郎さんは、極貧の中から見一つで海藻問屋を興し、魚粉肥料会社・不動産業・中華レストラン・長太郎ゴルフ場と、次々に経営を多角化していき、大きな成功を収めた人です。
尋常小学校を卒業してすぐに海へ出て、海藻拾いをしました。
漁師のように船をもっていなかったので、海藻拾い以外になす術がなかったのです。
その海藻を干して、リアカーに積み、遠くまで売り歩く。漁師町でも最下層で「海のモク拾い」と蔑まれ、その日、食うだけで精一杯の暮らしでした。

27歳の時に一念発起して「長太郎商店」を旗揚げしました。
文字通り無一文だったため「商店」といっても野天でした。
それでも、多くの人々の善意を仰ぎ、小金を借り集めて独立創業を果たしました。
決して順風満帆ではなかったが、幾多の試練を持ち前のチャレンジ精神と才覚、創意工夫、人を引きつけて離さない性格で乗り越え、遠く遠くに旗を立て続けてきた努力一途の人です。

そんな長太郎さんの晩年の座右の銘である「打つ手は無限」。
この言葉をご自身の墓にも刻んでいます。
実業家としての滝口長太郎さんの情熱が迸る、素晴らしい詩です。

考察・感じたこと

「遠く遠くに旗を立て続ける。」
やったことないこと、新しいことに挑戦しようという意味で捉えるのでしょう。きっと。
言葉にするのは簡単ですが、この新型コロナウィルスの影響が出ている今のご時世では、挑戦しようという気持ちが萎えてしまいそうです。

しかし、商売人を志し、資本主義社会で生きていこうと決めたのなら、どんな困難にも立ち向かい『自分のできることをやり続ける』を念頭に行動していくしかないのでしょう。
今の苦しい状況の中でも、困難に立ち向かっている方々が自分の周りにたくさんいます。そんな、遠く遠くに旗を立て続ける人達の姿を見て、肌で感じると、自分も元気が出てきてとにかくなんでもやってみようとなります。

商売人は、使命感や哲学が必要だと牟田さんは著書の中でおっしゃっています。
『強く必要とされる存在になれるように、ひたすら精進し、戦略を練り、高邁な目標を掲げて、工夫し、増客とお客様第一を謳い、情熱溢れる経営を邁進することである。』

この哲学、使命感を自分を持つ。
間違った方法かもしれませんが、いまできる何かをやっていきます。
そのやってみた結果を人に相談して、知恵を借りる。
泣き言を言わず、人の手を借りてでも、必ずなんとかしてみせましょう。
打つ手は無限にあるのだから。

本日のご紹介書籍はこちら

打つ手は無限〜変貌する社長業
サンマーク出版

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