従業員も、お客さんも。出来ることを着実に。

新型コロナウィルスによる自粛が続く今。名古屋市緑区にある和食処「花ごころ 緑苑」へテイクアウトのお惣菜を買いに。
飲食店が直面する問題や、従業員の皆さんの思いを取材しました。

有松鳴海絞で作られた暖簾をくぐって、店内へ。カウンターには、一人前の分量にパックされたお料理が並んでいました。
「いらっしゃいませ!今日は『インカのめざめ』っていうじゃがいもで作った、ポテトサラダがおすすめですよ」と声をかけてくれたのは、女将の伊藤嘉美さん。
他にも、稚鮎の煮付けに厚揚げ、フライものなど、バリエーション豊か。大人も子どもも、男性にも女性にも満足してもらえるようにと幅広いラインナップを心がけているそうです。特に魚介類は柳橋や日比野の市場で仕入れた新鮮なものを使用。板前さんのセンスによっておいしい一品料理に仕上がります。お店に並ぶお料理はその日によっていろいろ。献立は、お店のFacebookや嘉美さんが手配りするチラシで知ることができます。

なんでも嘉美さんは、朝の4時から3時間ほど、加えてお昼休みや真夜中など、時間を見つけては一日800枚以上のチラシをポスティングしているのだとか!
地域の人に会えば挨拶をして、「『緑苑』ですが、チラシを入れてもいいですか?」と一声かけて。これを、毎日です。

「とても大変な作業ですね…」。それしか言えませんでした。並大抵の気持ちでは続けられない仕事だということは、容易に想像がついたからです。しかし嘉美さんは、明るい笑顔でこう答えます。

「そうですね…いろいろ制限される中での活動になり、体がしんどいと思うこともあります。でもポスティングのときにお会いする街の人や、ここに来るお客さんが言ってくれるんです。お気の毒ね、大変ね、力になるわね、って。その言葉が本当にうれしくて。それだけじゃない。こういう状況になって、行動せざるを得なくなって、気づかされたことがたくさんあるんです」

少し前、体の不自由なお年寄りの方の代わりに介護ヘルパーさんが電話で注文をしてくれたことがあったそうです。なんでも、コロナの影響で普段行っているデイサービス施設が休業していて、その方は在宅を余儀なくされているとのこと。そんなとき、「緑苑」のチラシを見て「私、ここのお食事食べてみたかったの」と、ヘルパーさんにお弁当のテイクアウトをお願いをしたというのです。

他にも、偶然通りがけに会話した人が、実は共通の知り合いがいたとわかって話が弾んだり、「こういうものが食べたいな!」とリクエストをもらったり。こんな状況にならなければ得られなかったものもたくさんある、と数々のエピソードを振り返ります。
そしてそんなお客さんの満足を叶えるためには、一緒に働く従業員の皆さんの協力が不可欠なのだと話します。

「料理人さんには、普段の仕入れや調理業務に加えて、テイクアウト用にメニューを考案してもらったり、予約のお客様用に早くから準備してもらったり。ホールのスタッフにも、できるだけお客様をお待たせしないよう、今まで以上に時間を意識して行動してもらったり、笑顔でお出迎えを心がけてもらったり…。本当に、皆さんがいてくれなかったらどうなっていたか。苦しい状況がいつまで続くかわからないけれど、『こんなはずじゃなかった』なんて思うのではなく、今だからできることをそれぞれが探して、やっていけたらと思っています」

お客さんにとっては、いつもの味を待たずに家で食べられることが、テイクアウトの魅力。
そしてお店の人にとっても、街の人とのつながりや、ともに苦しい状況に立ち向かう従業員さんたちとの絆など、かけがえのないものをもたらしてくれているのかもしれません。
それぞれが出来ることを考えて、行動していけたらいいですね。

そして一刻も早く、事態の終息を願うとともに、同じように日々奮闘されている飲食店の皆様を、我々も微力ながら応援しております。

花ごころ 緑苑
住所:名古屋市緑区曽根2-156
TEL:052-624-2351
11:30~14:00、17:00~20:00(アルコール提供は19:00まで)
※5/6(水)まで時短営業、以後変更の可能性あり
月曜・第3火曜休
Pあり
mail: hanagokoro@ryokuen.org

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