のどかな南阿蘇に佇む古民家カフェ。
取材で熊本県阿蘇市を訪れていた我々。とある人に「南阿蘇の『GIAHS CAFE(ジアスカフェ)』がおすすめだよ!」とご紹介いただいたので、軽快にレンタカーを飛ばして行ってみることに!
のどかな田園地帯に佇む、古民家風のかわいらしいカフェ。店名の「GIAHS」は世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems)の略なのだそう。何を隠そう、阿蘇地域はこのGIAHSに認定された土地なんです。伝統的な農法や豊かな自然、生態系などの保存を目的として2013年に定められました。
店主の八木さんは、もともと東京でパティシエの経験があるのだとか。野菜ケーキが有名なお店で働いていたそうで、その後「野菜をもっと知りたい!育て方や味を産地で直接学びたい!」という思いになり、全国の野菜どころをめぐるようになったと話します。
そして最後に行きついたのが、ここ熊本。阿蘇の大自然に惚れ込み、オーナーと知り合ったことがきっかけで、お店を始めたといいます。「阿蘇地域では阿蘇高菜や鶴の子芋、ヒゴムラサキといった伝統野菜が採れますよ!」と教えてくれました!
ここで使われている野菜やフルーツは、自家農園で栽培したものや地元の農家さんから仕入れる新鮮なものばかり。いちごとメロンのかき氷をオーダーしました!
ちゅるんちゅるんのフルーツシロップがたまらんっ…!
はあーーーーー!これはやばいっ!
果肉がごろっとしていて、見るからにちゅるんちゅるんではないですか♡
そこで八木さんが一言。
「やっと見つけた!とっておきのイチゴ畑のイチゴです」
…?んっ?
え、なんですか?やっと見つけた?
もう一度聞き返す我々。
「あ、そういう農園の名前なんです(笑)。『やっと見つけた!とっておきのイチゴ畑』っていう農園で。とってもおいしいイチゴを作ってくださるんですよ!」
なるほど!農園の名前でしたか!
果実の甘みを活かした、濃厚なシロップ。果肉もしっかり味わえて、とっても贅沢です!ほんのりとした酸味が、後味をさっぱり感じさせてくれます。
お次はメロンのかき氷!
ぷりぷりの果肉がおいしい~。まったりした味わいが疲れを癒してくれます。
「こちらは『場外ホームランメロン』という品種です」と八木さん。
おおっと、これまた素敵なネーミング!さっきのイチゴ農園さんといい、阿蘇にはライターとして勉強になるセンスの持ち主が多いようですな。
もともと阿蘇では「ホームランメロン」という品種を育てていたのですが、まれに流通では販売されないほどの大きなメロンができることがあったそうです。
規格に合わないメロンでも、しっかり甘いしおいしいぞ!ということで、成長途中で摘果して「場外ホームランメロン」として売り出したのがきっかけ。
実際のホームランメロンより、1.5倍はあろうかというサイズ!
そのぶん甘さもマシマシ!というわけ。
地震を教訓にした「シェルター」。
八木さんによれば、こちらのカフェは微生物の活動によってし尿を分解するバイオマストイレや、太陽光発電システム、木材再生材(ペレット)を燃料にするストーブなど、自然からいただくエネルギーを活用した設備が整っているのだとか。
「熊本地震のとき、電気やガスが復旧しなくて困ったそうです。今後、もしなにかあったときも、地域の人に「ジアスカフェに集まろう!」と思ってもらえるような、シェルターの役割でいられたらうれしいです」と八木さん。
自然とたくましく共存する、阿蘇ならではの取り組みですね。
まとめ&感想
他にもこちらではペレット窯で焼き上げる地元野菜のピザが曜日限定でいただけるそうで、そちらも楽しみ!今度訪れるときはぜひ食べてみたいな。
古の知恵と自然を守り継ぐ「GIAHS CAFE」で、くつろぎの時間を過ごせました。ごちそうさまでした!
GIAHS CAFE
熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字両併1283-3
12:00~16:00
月・火休
giahscafe@gmail.com
http://i-nakama.org/giahs_cafe/
※新型コロナウイルス感染拡大予防のため現在は休業中
Text:光田さやか
Photo:荻野哲生
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