生粋人

<最終回>家族をつなぐ、木の家具。“誰かのため”の仕事を。「CONNECT」代表・水野照久

自然の記憶を価値に。人を幸せにする家具。

地域の素材を使った活動のコダマプロジェクトの他に、水野さんがこだわるものがもうひとつある。それは、一枚板を再生させてつくる「rewood」ブランドだ。あるとき、客の家へ納品する際、和室に大きな一枚板のテーブルが置いてあるのを目にした水野さん。一枚板とは、一本の丸太から切り出し、そのまま製材した板のこと。木目の出方や風合い、形など、ひとつとして同じものはない代物だ。

「これ、どうしますか?」と尋ねると、「処分しておいてくれませんか」と頼まれたという。とはいえ捨てるのも忍びなく、ひとまず倉庫へ持ち帰り、じっくりと見てみることに。

まさしく文字通り年季の入ったそれは、なんとも言えない“表情”を生み出していた。なにしろ、樹齢100年以上は優にある。見れば見るほど、この一枚の天板に木が過ごしてきた“自然の記憶”を感じるのだった。

 水野さんは、家の中に使われずに眠っている一枚板を全国から集めて加工し、「rewood」としてブランディング。地球の遺した資源は、テーブルだけでなく洗面台や雑貨などに再生されている。

 「今から30年ほど前、一枚板で作られた重い座敷机が一時期ブームになりました。人間の勝手な都合で、樹齢何百年もの木が次々と伐採されていったのです。そして時代を経てた現在、それらはもう捨てられている。4年前に『rewood』のサイトをオープンしたのですが、毎月コンスタントに買取りのお問い合わせがきます。全国に、再生を待っている一枚板があると思うと、こちらも頑張らなくてはと思いますね」

 木のために、山のためにできることはまだまだたくさんあると、水野さんは話す。そして『CONNECT』の取り組みの数々から生まれた木の家具は、やがて“誰かの幸せ”となって生き続けるのだ。

誰かのために、なにかのために。木の家具を中心に、あらゆるものがつながっていく。

そんな生き方、そんな仕事、そんな暮らしも、いいかもしれない。

CONNECT 名古屋ショールーム
名古屋市守山区守山1-1-18
TEL 052-795-1101
10:00〜19:00
水曜休
https://connect-m.jp/
「コダマプロジェクト」 https://kodama-p.com/
「rewood」 https://re-wood.jp/

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