伊勢商人が行き交かった商人の町、松阪市。
そこでは、鳥焼肉屋なるものが立ち並んでいるそうで。
最近、松坂で仕事がよくあるため、クライアントさんに教えていただいたお店に行ってきました。
「かしわの焼肉 トリユウ」と見るだけでジューシーな看板がどーんと。素敵な佇まいのお店です。
幹線道路からちょっと入ったところにありました。
店内に入ると、ぶわぁっと薫風が吹きすさび、眼球と鼻の粘膜の一つ一つに炭化物の付着を感じます。
この煙だけで脳が美味しさを噛みしている。
まず、鳥焼肉といえば柔らかな若鶏です。
濃厚な味わいの秘伝のたれがかかっております。
このタレがうまいんですよ。
本当は、肉を噛むと歯が折れるんじゃないか!?と、思うほどの硬度を誇る親鳥も食べたかったのです。しかし、この日は売り切れていました。
親鳥は、顎関節症の人には要注意です。
お店の店主さんにタレに何が入ってるか聞いてみましたが、企業秘密とのことでした。
これまでに松阪市内で3件ほど鳥焼肉を食べに行ってますが、いまのところ一番美味しいタレとお肉です。
あとは焼く!
ひたすら焼く!
もくもく。
モクモク。
黙々と焼く。
爆煙を燻らし、ひたすら焼いて肉を口の中に運びます。
何杯でも、ごはんが食べれてしまう肉と濃いタレを堪能します。
もし、松坂に住んだらすぐ太れると確信しました。
食べるのに夢中になり、半分ほど焼いてから写真を撮っていないことに気づいた。セセリ。あとクビの肉。
クビが意外と味がしっかりとしていて、美味しいのです。
ペラっと、サラッとたいらげます。
最初、赤出汁か!?と思うほどの塩気を感じる鳥汁。
味がしっかり染み込んでいるつくねをハフハフといただいて、ごはんがさらにすすむ。
完食。
色々と完食。
焼き終わったあとのプレート。
焦げのつき方が素人だと思いました。
隣で食べていた地元の方と思われる人は、編み編みの部分だけ焦げがついていました。
その部分で、油やタレを落としながら焼いていたと思われる。
次回の時はそうしようと思いました。
着ていた衣類と髪の毛は、鳥焼肉の煙が染み込んで、香りプンプン人間になってたと思います。
歩くと食欲を誘う人間になっていたと思うな。
みなさま、ぜひ松坂市と訪れた際は、松坂牛も良いですが、鳥焼肉をどうぞ。
ビールも飲みたくなりますよ!!
※追記※
後日、あまりのおいしさにポスター風キャッチコピーを作成してしまいました。
おいしさと、情緒が伝わると幸いです。
爆煙で視界は不良。
肉を焼く豪快な音で、相手との会話もままならない。
濃厚な甘辛タレの香りだけが立ちのぼる。
テレビからは地元のニュースが流れて。
壁にはいつかの誰かのサイン色紙。
「ういーす、大将」なんて言いながら、またひとり常連客が来る。
15時はなにごはんになるんだ。
ワカ、オヤ、クビ。ササミにトリ汁。
ここではそれだけ言えば十分。
ひとくち頬張れば、店主が長年守り続けるタレの旨味と、
それぞれに個性を主張する鶏肉の食感が、存分に楽しめる。
熱さに耐えながら咀嚼して、ようやく嚥下して胃に落とし込む。
その一瞬ごとの余韻を味わいながらも、次の肉を網にのせるのを忘れちゃいけない。
おっと、そのとき網が黒コゲなら余所者だとすぐさま察しが付くってものだ。
ここに来るなら、男も女も、オトナもコドモも関係ない。
「やだあ、髪ににおいがつく~」なんてやつは、
ハナっから向いていないんだ。
毎日生きてりゃいろいろあるが、
ここには毎日コレがあるだけ。
だがそれでいい。それがいい。
「鳥勇」は今日もうまい。
店名:鳥勇(とりゆう)
住所:三重県松阪市上川町2194-1
TEL:0598-28-4889
営業時間:11:30~20:00
定休日:月曜日
駐車場:有
Text:荻野哲生・光田さやか
Photo:荻野哲生
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