アズ・ユー・ライク!

【やさしさの鶏料理】岐阜県関市「香月」の味には、やさしさが染みていました。

おかあさん目線でつくる、鶏ちゃん・からあげ専門店。

初夏の風に乗ってただよう、緑と川のにおい。

そんな景色を楽しめる岐阜県関市の山あいに、一軒の定食屋さんを見つけました。
「けいちゃん・からあげ専門店 香月(かげつ)」です。

店内には食券機が。鶏ちゃんやから揚げの各種定食があり、どれにしようか迷ってしまう~。すると、見かねた店員さんが「うちに来るのは初めて?なら、これがおすすめかな!」と一言。じゃあそれで!ってことで、鶏ちゃんと唐揚げがどっちも楽しめる「香月のペアセット」にしました!

豪快な鶏ちゃん、登場!

さっそく運ばれてきた、ボリュームたっぷりな鶏ちゃん。ザクザクと盛られたキャベツの上に鶏モモ肉がどーんと鎮座しています。こちらではジンギスカン用の鉄板を使用しているんだそうです。「中火で、すぐに箸で炒めていってね!キャベツを下に、鶏肉を鉄板に当てながら。どんどん焼けていくからね!」とレクチャーをいただき、せっせと箸を入れることに。次第に煙が立ち込め、キャベツの水分と鶏肉の肉汁、そしてタレが、ジンギスカン鍋のふちにじゅわーっと溜まっていきます。
もくもく。わくわく!

ふわっふわのから揚げに、驚く…!

そうこうしているうちに、テーブルにはから揚げも到着!ノーマル・ネギマヨ・旨辛の豪華3種盛り合わせです。一口食べてみますと…?
ありえない柔らかさに、絶句!あのですね、これほんとびっくりです。今まで食べたから揚げの中で、ダントツの柔らかさ。衣はしっとりしていて、中は唇でも切れてしまうほどふわふわです。「初心者は、この揚げ方をマスターするのに8か月かかるよ(笑)。うちの店でも、私と他に1人しかできないもの!」と店主の女性。うーん!確かにこれは難しいだろうな…!

さらに味付けにも秘密が。から揚げは、下味付けやくさみ取りとしてタレにニンニクを漬け込むことが多いですが、こちらのから揚げは漬け込まずに上からニンニクパウダーとして振り掛けているのだとか。「漬け込んだニンニクより、パウダーのほうが消化にいいんですよ」とのこと。体にやさしく、小さい子どもからお年寄りまで親しめるように、との思いがあるのだそうです。

から揚げに感動していましたら、鶏ちゃんも食べごろに!

写真下部に、タレがたまっているのわかります?このタレがまた絶品。醤油なんだけど味噌っぽくて、まったりしていて、濃厚で。ああ、語彙力が足りない…。
それもそのはず。こちらは店主の女性が「今までにない味」を作りたくて生み出した唯一無二の味わいなんですから。ほらほらっ。箸が止まらない。キャベツも鶏肉も、無限にいけちゃう。ちなみにこのタレ、なんと、店頭で買うこともできます!パウチされた容器に入っているので、ご自宅用にもお土産にもおすすめ!

卵かけご飯・雑炊・炒め飯で3回楽しむべし。

シメは、卵が半熟のうちに「卵かけご飯」でまず楽しみ、火が通ってきたら「雑炊」に。最後は全体的に混ぜて「炒め飯」として3回シメを楽しむのが「香月」流。

鉄板の上のシートも鍋に合わせて丸く切ってあるので、混ぜやすい~。ささやかな心配りがうれしいですね。
舌鼓を打ちながら、お話を聞くことにしました。

つくるのは、娘に食べさせたい料理。

実は店主の女性は、元保育士という経歴の持ち主。だから消化にいいものや食べやすいもの、そしてボリュームたっぷりで満腹になれるようなもの、ということを心がけていると話してくれました。「自分の娘に作っているという感覚。だって、お客さんがお腹いっぱいでおいしそうにしてくれると嬉しいじゃない?お母さんとしてもそうよね(笑)。子どもには、体にいいものをたらふく食べてほしいし。だから赤字覚悟なの(笑)!」

子どもに注ぐ母の愛情は、尽きることはありませんね。味へのこだわりも一緒。なんだか胸に熱いものがこみあげました。

帰り際にそっと手渡してくれたつまようじにさえ、おかあさんの優しさを感じられて。
また食べたい味、そしてまた会いに行きたい人が増えました。
ごちそうさまでした!

けいちゃん・からあげ 香月
岐阜県関市志津野2672-1
0575-36-4678
11:30~14:00(けいちゃんはLO13:30)、17:30~20:00(けいちゃんはLO19:00)
※現在はランチタイムのみ営業中
火曜休
P10台

Text: 光田さやか、Photo:荻野哲生

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