生粋人

<最終回>“知的タフネス”のススメ。他人任せにしなくなる思考力。「スノーフレイク・コンサルティング」中島正博

情報は丁寧に。なんとなく信じず、ちゃんと知る。

独立して3年目。中島さんは現在、これまでの経験を活かしてクライアントが抱えるさまざまなビジネスの課題解決をおこなっている。あるときは新規事業の立ち上げフェーズに関わるコンサルタントとして、またあるときは経営上の問題を多角的な目線で分析するマーケターとして。顧客のニーズや問題によって、その肩書きは変わる。言ってみれば、「課題や情報をうまく整理し、言葉の力をロジカルに使って人を動かすこと全般」が、彼のカバーする業務内容だ。

そんな自身のサービスを、言葉好きな彼は「脳みそレンタル」と名づける。

「僕と話すことで悩んでいることがクリアになるとか、やらなければならないことが整理されて明確になるといったお言葉をいただくことが多くて。だったら、自分の脳みそをレンタルして、僕の“思考力”をそのままサービスとして利用できないかな、と思ったんです。
どんなお悩みに対しても、まずはヒアリングをすることから始めますが、そのときもクライアントが話すことを鵜呑みにはしません。
自分でアンテナを張って調べたり、何気ない会話から情報を得たり。情報を、“ちゃんと知る”んです。クライアントはそう言っているけれど、本当にそうなのか?実際はどうなんだ?という視点を持つ。すると、クライアントが認識しているよりさらに精度の高い現実を知ることができる。それを繰り返して情報の解像度を高める、というのでしょうか。情報を丁寧に扱うんです。これは仕事をするうえでというより、生きていくうえで私が大切にしていることですね

それはまさしく、彼が学生時代に打ち込んだ「哲学」の考え方そのものだ。
曖昧な言葉をそのままにせず、裏を取り、ロジカルな筋道を立てて、辻褄の合う状態になるまで問いかけ続ける。そうすることでその言葉は、途端に明確な「意志」を持ち、あまねく人々のなかにすんなりと介在するようになるはずだ。

ここで連載の冒頭に提示した「未完成のパズル」問題を思い出してみてほしい。バラバラのピースを渡され、「船の絵柄が完成する」と言われたらどうするか、という話だ。
不確かな情報のピースを渡されたのなら、それが明確になるまで自分でピースをもっと探しに行けばいい。たとえ見つからなくても、どれだけ完成までに時間がかかったとしても、「この絵ができあがるよ」などという言葉をなんとなく信じるより、自分でしっかりと考えるほうが、その過程も楽しむことができるだろう。

知ることへの探究心、つまり“知的タフネス”を常に自分の中に持ち続けることが大切なのだ。

「なんとなく信じるのではなく、疑いや疑問の視点を持ち、ちゃんと自分で考えて本質を見極めながら行動する。それってつまり、自分の生き方に責任を持つことにもつながると思うんです。他人任せにしない思考力を持ち続け、これからもたくさんの人のお役に立てたらうれしいですね

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