混じり気なしの勝負味噌。“単純”こそ男の流儀。
ある師走の21時。以前から気になっていた名古屋市緑区の「力丸」に行くことに。
煌々とした明かりが、目に飛び込んできます。それにしても、夜食べるラーメンってどうしてこんなに背徳感があるんでしょう。
そして人はなぜ、わかっていてもその誘惑に勝てないのでしょう…。
やれやれです。
こちら、ご尊顔。
ややとろみのあるスープからは濃厚な味噌の香り。ひと口いただくと、まさに「味噌」そのものなんです。
変にクセにさせるような塩っぽさも、パンチの効いた辛みも感じません。
ごまかしなどない、ただ、ひたすらに味噌の甘みと上品さを感じるのです。
「そう、味噌ってこれこれ」。食べるごとにそんな風に思うんです。
そしてその根拠は仕事の丁寧さに現れているようで、独自にブレンドした味噌を注文が入るごとに一杯ずつ溶かしていくとのこと。
「うちのラーメンは良くも悪くも普通って言われるんですよ」と店主。いいじゃないですか!単純に味噌を味わえるって、なかなかないです。
小ワザに走らない、味噌ラーメンに真っ向から勝負したその心意気に惚れます。
自分を貫いて、まっすぐ生きていくのが難しいこの世の中。
ラーメンくらいは、不器用なほどまっすぐな味を追求してもいいですよね。
んー、なんだかいろいろ考えさせられました。
考え事したい方はぜひ(笑)。
ともあれ、ごちそうさまでした!
力丸
名古屋市緑区桶狭間清水山1207
052-624-2667
11:00〜14:30、18:00〜24:00
火曜休
Text:光田さやか
Photo:荻野哲生
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