<最終回>“正解”は自分が決める。デンソーに勤める僕が20代最後に思い切って転職した話。――神谷雅人

変化を恐れない姿勢。トンネルの先のレールは自分で作る。

これまで、決まったレールの上を走ってきた神谷さん。転職のために与えられた時間は1年を切っていた。限られた期間の中で、彼はどう動いたのか。

「まずは、転職アドバイザーさんに会おうと思いました。お仕事として頼むと、無理やり転職させられちゃうんじゃないかと思って怖かったので(笑)、友人づたいに、本当に親身になって相談に乗ってもらえるアドバイザーさんとプライベートでお知り合いになりたいと思いました

ツイッターも活用し、少しでも自分が気になる人、興味のある人に積極的に連絡をとった。仕事が終わってからの時間や土日を使って、県内・県外問わず会いに行った。この行動力に自分でも驚いたという。今まで知らなかった広い世界で、どんどん知り合いが増えていくのが嬉しかった。
転職にあたり、親や友人、職場の人には一切相談しなかったという。
止められることがわかっていたからだ。

だって、二言目には『もったいない』って言うから。もう聞き飽きますよ(笑)。『えー!デンソーやめちゃうなんて!』って、もういいよって(笑)。転職エージェントにも言われちゃったときはツラかったですけどね。わかっとるわ!そのうえで動いてるんじゃ!と(笑)」

今でこそ、明るく笑い飛ばす神谷さんだが、やはり不安や焦りは払拭できなかったという。
自分がしていることは正しいのか。これで、いいのだろうか。

期限だけが容赦なく迫る。自分で決めたこと、変えられはしない。
真っ暗なトンネルがどこまでも続いているようだった。

広く視野を持つうちに、自分の適性が“営業”だということに気づいたという。人と接することで新たな価値を生み出していく仕事。人との出会いによって自分自身も変化できたことが、なによりの根拠だった。
信頼できるエージェントを通じて不動産、広告代理店、住宅メーカーを中心に、実に半年で20社もの企業の面接を受けた。エントリーシートや履歴書、web応募の数だけで言えば60社以上にもなった。

そして2019年3月。
外資系金融機関に就職が決まった。長く暗いトンネルを抜け、新しいレールを自分で作り上げたのだ。

世間では、デンソーの方が“正解”なのかもしれません。でもなにが正解かなんて、自分で決めることじゃないですか。この選択をしてよかった、これが正解だったという人生にしていかないと。そのためには、周りの意見より自分の気持ちに素直になって、変化を恐れず行動あるのみです

幼いころから、周りの目を気にする性格だった神谷さん。安心で安全なレールは、いつのまにか誰かが敷いてくれていた。
それに気付かなかった。気づかないふりをしていた。
だが今は違う。
自分で敷くレールならどこにだって行けるし、どんな景色でも見られるということに気づいたのだ。

「今は転職したばかりで、土日もほぼ勉強です。でも毎日が楽しい!前職では考えられないです。僕、この会社で、営業力をつけたいんです。この先自分がどんな道を行くことになっても、一人でやっていけるような強い営業力を。その先にお客さんの笑顔があればなおうれしいし、そういう人との出会いがまた自分の力になる気がするんです。そうしたら光田さん、いつかまた、取材してほしいな。今度は『大企業から思い切って転職したら1年でMVPが取れた話』で(笑)!

Text:光田さやか
Photo:荻野哲生

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