編集だより

【ライター光田塾】「伝わる」文章マスターへの道。ep.22

主語と述語を意識しながら構造に還元して読む。

すっかりご無沙汰してしまいましたね…すみません。
「伝わる」文章を目指して文章講座を続けていくこの連載。前回から季節は流れ、すっかり夏になってしまいました。

ここ最近、ありがたいご縁が続き、文章講座を行うことも多くなりました。
一言に「文章が書けるようになりたい」と言っても、実はお悩みはさまざま。
書きたいことはあるので内容を簡潔にまとめたい、何をどのように書いたらいいかわからない、日本語の正しい使い方がわからない……。それぞれのお悩みをヒアリングし、ご依頼主様の求めるレベルに応じた内容をご提供するようにしています。お気軽にご連絡くださいね!

さてさて、宣伝(?)はこのぐらいにして、本題。今回は「主語と述語を意識しながら構造に注意して読む」です。
この、シュゴとかジュツゴとか聞いて頭痛くなるって人、意外と多いですよね。文法アレルギーとでも言いましょうか。
確かにこのタイトルでは、ちょっと敬遠されてしまう気もします。光田的に言い換えると「文章の中に出てくる動詞は誰の動作か確認しながら書いてね」ってことなんです。

例えば、次の文。

彼女が「旅行に行くからお土産を買ってくるね」と言ったので楽しみにしています

この文章、「言った」のは誰ですか?「楽しみにしている」のは誰ですか?

答えは、「言った」のは彼女、「楽しみにしている」のは自分ですよね。

前述の文章では、文頭に「彼女」という主語が出ているため、「楽しみにしている」という動作までが「彼女」の動作であるように受け取られてしまうのです。

このように、一つの文で動詞がいくつか出てくる場合は、「誰の動作か」を確認しながら使う必要があります。

これを話し手である「自分」の目線で正しく書き換えると、

彼女に「旅行に行くからお土産を買ってくるね」と言われたので楽しみにしています。】

となります。主語を「彼女」から「自分」に置き換えたことで、「彼女」から受ける動作を受動態(受け身のかたち)にしてみました。
もしくは、

彼女が「旅行に行くからお土産を買ってくるね」と言ったので僕は楽しみにしています。】

でもいいかもしれませんね。ちょっと野暮ったくはなりますが、「伝わらない」よりよっぽどいいです。

文の中で動詞が続いているな、と思ったらその都度立ち止まり「これは誰の動作なのか」を確認するようにしましょう。

本日のまとめ

この「動作」は「誰の」ものか?
混在して分かりにくくなっていないか、確認しよう。

これから先も、長く文章が書けるようになってくると陥りがちな問題が扱われていきます。
一つひとつ落とし込みながら「伝わる」文章を目指しましょうね。

文章といえば、学生のころ夏休みの「読書感想文」で苦労した方も多いのではないでしょうか?
そういえば私自身、何年か前に「子どもたちに読書感想文の書き方を教えてくれないか」というご依頼もありました(個人的には、読書感想文は、「本の選び方」「読み方」「書き方」の3点が重要だと思っていますので、書き方だけお教えするというのは逆に難しいのでお断りしてしまいました)。
「自由研究」と並んで夏の宿題の二大ボスであるこの読書感想文ですが、大人になってからあまり(というかほとんど)書く機会がなくなりましたよね。

せっかくなので、この夏はSNSなどに読書感想文を書いてみてはいかがでしょうか?
うまく書こう、かっこいい言葉で書こうとせず、まずは「伝わる」ことを目指して、お好きな本を紹介してみてください。そのときに、この連載での知識が役立つのでしたら幸いです。

次回はep.23「単文・重文・複文を理解して係り受けを整理する」です。

文法アレルギーの人がむず痒くなっちゃうようなタイトルにも聞こえますが、大丈夫です!今回の内容と似ていますので、わかりやすく解説していきますね。

それでは、お楽しみに!

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