編集だより

【最優秀助演男優賞】わさびの侘び寂びを知る。

もう、辛いだけの薬味だなんて言わせない。

皆さん「わさび」ってどんなイメージでしょうか?
お刺身に、お蕎麦に、ちょっとあればいいかな~、なんて程度…?

そんな世間の認識を大きく覆すイベントが、蒲郡ののどかな住宅街の一角で行われていたとは誰ぞ知るよしもない…。

「わさび」といえばこちら、「金印」さんによる「わさびのあれこれを知って、おいしくわさびをいただいて、普段のお食事を格上げしちゃおう!」的なイベントに参加させていただきました!

始めに、わさびについてのトリビア、言うなれば「わさビア」を聞かせていただいた我々。古くは飛鳥時代から栽培され、平安時代には薬草としても使われていたそう。江戸時代には徳川家康が、自身の家紋とわさびの葉が似ていることから、とても愛用して門外不出の品と定めたそうです。
他にも、本わさびと西洋わさびの違いや、栽培方法、製品になるまでの行程など、いろいろ聞かせていただきましたが…

特に驚いたのが、その「香り」と「辛み」!

本わさびはすりおろしとともに酵素反応が起こってはじめて、香りと辛みを感じられるのだそう。だからわさびをそのままかじっても実は辛くないんですって。
すってから3~5分が、香りと辛みをしっかり感じられるタイムリミットで、それ以降は落ちて行ってしまうとのことでした。

なんて、なんてデリケートなんだ…わさびよ…!
涙が出るぜ…!

すりおろしたてのわさびは、なんというか、朝露にけむる草原に佇んで思いっきり深呼吸をしたときのような香りがします。
そして辛みは、一瞬鼻腔にスキッと感じる程度で、2秒ほどするとふわーっと抜けていくんです。
その存在をさわやかに主張して、「お料理が主役ですから」とでも言いたげに去っていく…。
まさに助演男優賞の受賞にふさわしいと思いませんか?
そしてこの、すってすって、たくさんすって、ちょっとだけ食べて、くうーっとくる。この侘び寂びも、なんだか日本らしくていいと思うのです。

お刺身と一緒にいただくときは、白身の場合は少し、赤身やトロなどはやや多めに付けるといいそうです。
お蕎麦のときは、実は驚きなのですが、つゆに溶かすのではなくお蕎麦に付けて食べるほうがいいとのこと!
すすった時に香りが立つのを、我々身をもって体感しました。

笑顔が素敵な大将「てっちゃん」打ちたてのお蕎麦は、カドが立っていて繊細な細麺。こだわりのかえしで作るつゆと相まって、とても贅沢な一枚となりました(ほんとはおいしすぎて2枚おかわりしちゃった)。

20年根を張っているという四季桜がお庭に誇らしげに咲いていました。室内には、ほこほこと熱を帯びたいろりに、昔ながらの自在鉤(じざいかぎ)も。
時間を忘れてくつろげました。

皆さん、ここぞという時のために、「鮫皮おろし」と「本わさび」常備してみませんか?
いつものお料理が最優秀主演男優賞にノミネートするほどおいしくなって、オスカーでもアカデミーでもなんでもこい!になっちゃいますよ!

ちなみに、金印さんはイベントがあれば来ていただけるとのこと。

機会を設けて我々もイベントを主催してみたいものです!

Photo:荻野哲生
Text:光田さやか

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