<第2回>“会話で呼吸”する。光田流・ビジネスマン5つのメソッド――光田寛和

流儀その2.「人とのネットワークは大切にせよ」

光田さんは、人とのかかわりを大切にしている。これを「人付き合い」と言い換えてしまうと、あるいは躊躇してしまう人もいるかもしれない。けれど、自分にとって無理のない範囲で「人とのネットワーク」を形成していくべきなのだという。

極論、僕の中では『ネットワークは買ってでも作れ』という感じです。まあそういう付き合いがいい、というわけではないのですが、少なくとも僕にとっては、人付き合いは知見を助けてくれる大切なものです。例えば僕の経験からいくと、Facebookでつながっていれば3年ぶりに会っても大丈夫ですね。ただし、いいね!を押したり、フィードをチェックしてコメントを入れてみたり。とにかくマメに。マメでないネットワークはいずれ崩壊します

光田さんにも「買ってでも作ったネットワーク」があるという。それは、アートやカルチャーなどのイベントに出かけるときのこと。「アートは不得手」だと自称する光田さんは、作家の思いを理解するために、作品を味わうために、一度でじっくり鑑賞するのではなく、何度も足を運ぶのだそうだ。
光田さんの働き方の中では、ゆるりと芸術鑑賞と洒落込む時間はあまりないのだろう。だから、短い時間でもいいから観る。何度も観るのだという。
そうすると、一度ではわからなかった作家のメッセージが次第に分かるようになる。来場者やスタッフに「この前も来ていましたよね」と声をかけられることもあるそうだ。
やがてその人とビジネスの話になって、つながりができる。
何度も訪れたのでいくらか出費にはなったが、不得手とする芸術鑑賞を何度も繰り返しすることでしか生まれなかった、大切なネットワークができたのだった。

「それは対外的なことだけではなくて、もちろん社内や部署内といった小さなコミュニティーの中にも言えます。僕は今の職場に移ってから、周りはベテランばかりだけれど、年は僕の方が上で…。周囲に気を遣わせてしまっていないかと、それが申し訳なくて。なかなか自分らしく振舞えなかった時期がありました。僕は“会話で呼吸する”を生きざまにしているので、まずは会話しないとなにも生まれないな、と」

新たな環境になったときのネットワークの作り方。自分の身の置きどころが変わったとき、光田さんがとった行動とは。

「まずですね、僕の周辺のデスクのメンバーの1人をランチに誘ったんです。一対一の会話なら、僕得意なので(笑)、そこでいろいろ話したり、聞いたり。で、まずはその人(およびその人の友人含む)とのネットワークを作る。その数日後にはもう少しデスクの離れた人を誘う。また一対一でお話させていただく。次はその人とのネットワークを作る。そうしていくうちに、社内で『光田さんとランチ行ったよ~』なんて声が聞こえ始める。それを繰り返していくうちに、まるでオセロのようにネットワークが広がっていく。 僕自身が部門を超えたコミュニケーションのHUBの要素となることで、それが信頼に変わり、『仲間』というネットワークが形成されていくと思っているんですね

なるほど、と思わずうなずく。同時に、私自身にとって、ネットワークの作り方はなんだろうかと問うてみる。自分を取り巻く環境は、いったいどのようにしてできてきたのだろうか。どんなネットワークが、今も続いているのだろうか。SNSや電話帳の登録を見返すと、面白い発見があるのではないかと思った。
光田さんのように、数をこなすのも、一対一の会話に持ち込むのもいい。無理のない程度に、マメな付き合いを心がける。そういった小さな積み重ねこそが、やがて大きなネットワークになるのかもしれない。

<第3回に続く>

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