編集だより

【ライター光田塾】「伝わる」文章マスターへの道。ep.20

時制を混在させて推進力を出す。

こんにちは!ようやく20単元目まできましたこの企画。

不肖・ライター光田が、テキストの解説をさせていただきながら、「伝わる」文章のためのお手伝いをする連載です。

テキストはこちら「新しい文章力の教室」です。文章の書き方関連の書籍ってたくさん出ていますし、どれを選んだらいいかわからない、という人も多いのではないでしょうか?
本によってさまざまなアプローチがなされていますが、どれも共通するのは「ロジカルに」組み立てること。
このテキストではその部分をしっかりカバーしてくれているので、いわゆる社会人向き、なのかなと思います。
あとは、いろいろ見ていただき「これなら頑張れそう!」と感じた本を続けるのが一番だと思います!

企画書、レジュメ、議事録、感想文、所信表明文、挨拶文。
そんな文章を書く機会が多い人は、ぜひこの連載を通じて学んでみてくださいね。

前置きが長くなりましたが、本題に移ります。
今回の単元は、「時制を混在させて推進力を出す」。言い換えると、過去の出来事に「過去形」と「現在形」を混ぜて使うことです。

「過去形」は、「〜した」「〜だった」のように過去の動作を表す言い方。
「現在形」は、「〜だ」「〜である」「〜する」のように、現在の動作を表す言い方です。
通常であれば、過去のことは過去形でまとめるのが普通ですが、これが続くとちょっと幼稚な印象になるので、ちょっとだけ現在形も混ぜて書きましょう、ってことですね。

以下の例文をご覧ください。

【私は昨日の会議で「〜〜〜」と発言した。すると●●さんに呼び止められ、「〜〜〜はどうなっているか」と聞かれたので、内容についての返事をした。●●さんは今回の事案をまとめて書類を作成してくれた。】

これに、ちょっとだけ現在形も混ぜてみます。

【私は昨日の会議で「〜〜〜」と発言した。すると●●さんに呼び止められ、「〜〜〜はどうなっているか」との問い合わせをいただく。その内容について返事をすると、●●さんはそれも含めて今回の事案をまとめて書類を作成してくれた。】

どうでしょうか?前者は少し幼稚な印象がするのに対し、後者は文章が少しイキイキとし、臨場感がありませんか?
このように、書き手の意識が「過去の時点から見た現在」にあれば、過去の出来事を現在形で書いてもいいのです。

例文でいくと「問い合わせをされたとき」と「返事をしたとき」が同じ現在に存在しているので、この場合の動詞は現在形でもおかしくない、ということですね。

実はこれ、同じことが「未来」について話すときでも可能です。

【今回の事案についての見積もり期限は●月●日。その後はチームを立ち上げ動き出していくだろう。

【今回の事案についての見積もり期限は●月●日。その後はチームを立ち上げ動き出していく。」

上記のように、「見積もり期限を迎える日にち」と「チームが動き出す日にち」がどちらも未来に起こる出来事なので、現在形を出しても違和感がないのです。

いかがでしたか?
時制をうまくコントロールできると、同じ文末の使い回しにもならず、また文章全体がイキイキとして推進力がありますよね。
でももちろん多用は禁物。「いつのことを言っているのか」わからなくなり、時の狭間で迷子になってしまいます。
音読を繰り返して、違和感なくスムーズに読める文章を目指しましょう!

本日のまとめ

書き手の立ち位置からして「同じとき」に発生した出来事は、現在形でつないでもOK。
「いつのことを言っているか」を意識しながら、
相手が読みやすい文章を心がけましょう。

次回のep.21も似たようなお話。「文型や段落単位の重複に注意する」です。
サクッと行きますのでよろしくお願いいたします!

それでは、お楽しみに!

コメント

この記事へのコメントはありません。

RELATED

PAGE TOP