【巧遅(こうち)は 拙速(せっそく)に如(し)かず】
〜仕事のできがよくても遅いのは、できがまずくても速いのに及ばない。〜
※出典:デジタル大辞泉
ぐはぁ!!!
「はい。ごめんなさい。」
思わず陳謝したくなるほどの破壊力。
僕の胸を激しく穿つ言葉でした。
私事で、昨年末させていただいた仕事が今月、ようやく完成を迎えました。
丁寧に見やすく、わかりやすく、後の工程がやりやすく。という思いで、多分に時間を頂戴してしまったのですが、依頼者様から「熱のあるうちに見たかった。」と厳しいお言葉をいただきました。
手は抜かずに仕事をしたく、完璧を求めてこだわってしまった結果。
喜んでいただくことは叶いませんでした。
それよりも、まずこうゆう方向に向かっております。ここまでできております。という姿勢と現状を見せることを念頭に置くことを身を持って実感しました。
東京大学工学部の教え7カ条
さて、冒頭の「拙速」のことですが、本日、取材させていただいた方が座右の銘にされている言葉です。
「拙速を旨とすべき」
東京大学工学部の教え7カ条の言葉です。
そこから、拙速を調べて、冒頭の言葉を知りました。
7カ条の言葉は下記となります。
第1条 決められた時間に遅れないこと(納期を守ること)
工学部ヒラノ教授〜今野浩〜
第2条 一流の専門家になって、仲間たちの信頼を勝ち取るべく努力をすること
第3条 専門以外のことには、軽々に口出ししないこと
第4条 仲間から頼まれたことは、(特別な理由がない限り)断らないこと
第5条 他人の話は最後まで聞くこと
第6条 学生や仲間をけなさないこと
第7条 拙速を旨とすべきこと
エグれた。
エグれました。
1カ条目から激しく心を抉られました。
僕も写真を撮ること仕事にしておりまして、基本的に全ての仕事に、もちろん相手がいて、関係すべきチームから業者から様々な人が関わって仕事しています。
なので、クリエイディブなものづくりには「拙速」が大変、有効だと思う。
さて、「拙速を旨とすべき」という言葉。
これは、できあがりは下手でも仕事が速いことを意味している言葉です。
決して、手を抜いて速くあげればいいわけではないと、ぼくは思ってます。
しかし、先程も述べましたが、今回の仕事はこうゆう方向に向かっている。いまはこの程度、出来ている。という報告をする上で、とても大切な工程になるということです。
ここまでは、7カ条の言葉から読み取れることですが、本日の取材ではさらに深いところまで解説いただきました。
拙速を旨とすること
東京大学工学部のようなできる人達は、最終的に良いもの、素晴らしいものを作り上げることができるので、拙速でも良いとのことだ。
拙速の状態でも周りの人達が協力して、素晴らしい完成まで仕上げることができる。
まだ、未熟で一生懸命、丁寧にやっても完成が拙い人達は使う言葉ではないという。
そんなお話の中に、仕事に対する姿勢や人材育成に活かせる部分があると思いました。
練習の内から、拙速を旨とし、速く報告して、軌道修正・改善を繰り返して完成させる。これが当てはまる事。
時間は、掛かっても良いから丁寧に完璧を目指して完成させる。
練習の期間はそれで腕を磨く。
それをたくさんの数をこなして、速く完璧にできるようになったら、チームで動くときは、拙速で行動していくというパターンがあるなと思いました。
それが今日、出会った「拙速を旨とすべき」という言葉からこれから実践していきたいことです。
あなたの周りにも「拙速と旨とすべき」瞬間があるのではないでしょうか?
その時、どんな行動をしますか?どんな言葉を投げかけますか?
「拙速」
拙い行動の積み重ねできっと色々な結果が変わってくるのではないでしょうか。
Text:荻野 哲生
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