<第2回>今を生きる。うつ病を経験した一年間が、僕に教えてくれたこと。――日高圭

なにもかもがぐちゃぐちゃ。心身が崩壊した一年。

話は、日高さんが人事部に配属される前に遡る。人生にとって厳しい壁にぶつかった一年があった。

「2004年ごろだったかな。それまでは仕事も器用にこなし、第一線で活躍していた自負があった。プライベートも上手くいっていて、自分の人生が理想どおり、怖いものもなかった。そして、そんな中、部署異動があって。会社から期待されていると喜んだよ。しかし、そこでは自分の力が追いつかず、ひとつひとつの歯車が噛み合わなくなったんだ。仕事もプライベートも人とぶつかることが多くなった。人間関係のストレスという言い訳をしていたけど、その背景には “理想の自分”とかけ離れていく感じが、どうしようもなくつらかった。自信を失っていった。

僕、仕事もだけど、うまくいかないことをいつまでも引きずるタイプだったから。そう言って、日高さんは少し悲しげにほほ笑んだ。次第に眠りたくても眠れない日々が続いたそうだ。

そして、日高さんが受けた診断は、うつ病だった。会社も休職となる。

「自分の力が発揮できなくなった時が、一番苦しかった。ひたすら何かにぶつかってはもがいていたな。心は病んでいたと思う。また、そんなときに 親友が急に病気で亡くなって、心にぽっかり穴が空いてしまったし、もう、全てがぐちゃぐちゃだったとしか言えないな。自分の人生を恨んだときもあったかな

「でもね、うつ病って、心が病むからなるんじゃないんだよ。うつ病はね、いわば、疲労の極地。大学で学んでいたのに自分でなった時は全く気づかなかった。ある本に書いてあって納得したのは、うつ病は“脳の病気”だということ」

“脳の病気”。疲れきった結果、脳が機能しなくなり、心身が崩壊していくのだそうだ。

では、日高さんの感じていた毎日とは、どんなものだったのだろうか。

そして、そこからどう脱却したのだろうか。

<第3回>へ続く



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<第1回>今を生きる。うつ病を経験した一年間が、僕に教えてくれたこと。

2 件のコメント

  • 私も10年前に仕事の量、質的にキャパを越え真夏の風邪が引き金になりうつになりました。幸い家族の理解により退職したことで元気になりましたがストレスに非常に敏感になりました。前の会社の仲間達は今の元気な姿に驚いてますが彼らは落ち込んだ姿を期待していたみたいで世の中の冷たさに気付かせてくれました。第3回目を期待してます。

    • 加藤孝治様。
      様々な体験を通して人生に気づきがありますね。
      第3回、最終回を読んでいただけると、周りの身近なところにではなく、第三の場所に気のおけない仲間がいたりするかもしれませんね。

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