編集だより

【古民家改装のススメ】阿蘇に移住した黒木さんのご自宅を見せていただきました。

調べて聞いて実践!無理せずプロの手も借りることが大切。

2020年8月に訪れた阿蘇で出会った黒木陸(リック)さんは、この景色と自然の美しさに魅せられて移住を決め、古民家を購入。「もともとセルフリノベーションをやってみたかった」という彼は、現在自宅改装の真っただ中です。

前回ご自宅を見せていただいたときは、購入してわずか1ヶ月でした。あのときは「11月くらいには完成できてたらいいな~」と笑っていたリックさんですが、工期が押しているようで、現在すでに3月。セルフリノベーションの実態に迫るべく、今のご様子を伺いに再訪することに!
↓こちらが、2020年8月。

そして2021年3月↓。

すごい!床が出来上がっている!
システムキッチンも入っているし、壁も塗り替えられていました。家の中央にあった大きな壁も取り壊されて、ひと続きの開放的な空間になっています。

しかしリックさんいわく、ここまでもかなりのご苦労があったよう。

「いやー、床下は大変でしたね(笑)。見たこともないサイズのムカデがでてきたときはほんとどうしようかと!天井裏にはスズメバチの巣があるし。未知との遭遇がたくさんありました(笑)。普段見えない部分なだけに、見るのは勇気がいりました!」

リックさんの普段のお仕事は、ウェイトトレーニングや食事、生活習慣の改善を全てオンラインで行うパーソナルトレーナー。一日3時間ほどのレッスンをオンラインでおこなったあと、残りの時間をすべて自宅改装に費やしているそうです。最近では実家で子育て中の奥様も時間をみて、リフォームの手伝いに来てくれるのだとか。4月から阿蘇で家族揃って新生活をスタートできるよう、日々作業に取り組まれています。

「とりあえず風呂や水道、電気だけは整えて住めるようにして、危ないものは片づけて。あとはもう住みながら改装していくって感じでもいいかな(笑)。家が少しずつ良くなっていく過程を子どもたちに見せてあげられるのも、いいところですね」と笑うリックさん。

聞くだけで大変そうですが、とにかく楽しそうに話す姿が印象的でした。

「今はわからないことはなんでも調べることができる。それこそ僕と同じように一から古民家を改装している人のYouTubeやブログを参考にしていますね。あとは人に聞いたり。ホームセンターの人とも親しくなりました(笑)。道具や資材の扱い方も、最初に比べたらだいぶ上達しました。もちろん失敗も沢山していますが、確実にスキルアップしているのを感じるんです。好きこそ物の上手なれ、ですね」

集中しすぎて時間の経つのがあっという間なのだと、リックさんは話します。日曜日には子どもと一緒に壁を塗ったり、家づくりを通していろいろな人との縁がつながったり。毎日が新鮮で、常にポジティブな気持ちで改装をされているのだそうです。

同じように、移住や古民家改装に興味のある人に向けて、アドバイスをお願いしてみました。

「僕の経験からいえば、水道やガス、電気などのインフラ整備は素人ではなく、プロにお願いするのが無難だと思います。これは自分ではできないな、難しいなと思ったら無理せずプロに頼むほうが安心。 あとは、ちゃんと休憩や睡眠をとること。僕は以前、疲れて集中力が切れている中作業を続けていたら、廃材から釘が飛び出していることに気がつかないまま思いっきり踏んでしまい釘が靴底を貫通して、誰もいないこの家でケンケンしながら一人で悶絶しました(笑)。 それに、空調や電気などが整っていない中での作業ですので、暑さ・寒さには要注意。やっていると作業に夢中になるのはわかりますが、『今日はここまで』と決めて作業するようにしてほしいですね」

お風呂工事はプロのお仕事。古い浴槽を取り外し、土台から整えます。

そんなリックさんが大切にしているのは、以前のインタビューでもお話されていたように「暮らしを自分でつくる」ということ。ゼロからイチを生み出す力が、家づくりを通して培われているといいます。

「人生の経験として今すごく貴重なことをしているという実感がありますね。古いものに自分で手を加えて、自分の好きなように作り上げていく面白さ。なんでも買うのではなく、作ってみようと思える発想力。そんなことを、子どもたちにも伝えていけたらと思います」

「今度は完成した家に遊びにきてくださいね!」

セルフリノベーションは、簡単なことではありません。リックさん自身、なんの知識も経験もないところからスタートしています。
ですが、そこにはお金には替えられない貴重なものがたくさんありました。
「自分の暮らしは、自分でつくる」。人生においてそんな貴重な機会との出会いがあれば、挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

前回の阿蘇での旅行記はこちらから!↓
大自然の中で、ひたむきに生きる阿蘇の人々の暮らしをご紹介しています。

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