生粋人

<第3回>“三浦和也”という男。――三浦太鼓店・六代目三浦彌市

キーワードその3.小心者を隠さない。

三浦さんの仕事場の隅に、本がいくつか置かれている。
どれもこれも、リーダーシップ・リレーションシップを養うためのビジネス書だ。

「こういうの、めっちゃ読むんです(笑)。心配なんですよ。あー、俺大丈夫かな、みんなどう思ってるかな。って。ヘコむこともたくさんある。小心者なんです。だから仲間の意見を聞くんです。いや、仲間に引っ張ってってもらう、って言った方が正しいかな

聞けば、三浦さんは常に何かをしていないと不安なのだそうだ。
自分はここにいる。こういうことをしている。こんな思いがある。
そういうことを、自分から手を上げて世間に知らせていかなければ意味がない
、というのだ。
だから何をしたらいいかわからなくなるときは、新しい意見を知る。全く違う発想を、自分の中に取り入れていくのだそうだ。

また、その取り組みを埋もれさせないためには情報発信が必要だとも三浦さんは話す。現に「三浦太鼓店」には、三浦さんが担当する「六代目ブログ」を始め、「活動紹介ブログ」「スタッフブログ」「伝統発信ブログ」の4つがある。どの内容も個性にあふれ、写真も多く、読んでいてとても面白い。
他にも、動画配信、自社新聞の作成…その方法は多岐にわたる。
「昔は、太鼓打ちといえば筋トレ!だったのが、今じゃ筋トレやってるヒマあったらブログ書け!なんていう人もいるくらい(笑)。でもそれは決して大げさじゃなくて、僕たちも情報発信は大切にしています。社長だからって、『僕が僕が』という思いがあるわけではなく、スタッフにも好きに書いてほしいから、あんな感じにたくさんあるんですよ。それくらい、みんなのことは頼りにしています」


小心者である自分を厭わない、隠さない。
その強さ、潔さを持っている人が、どうして小心者だと言えるのだろうか?
きっと彼の仲間や友人も、そんな彼だからこそ慕い、ともに歩むのだろう。

そんな彼の支えとなっているものがもう一つ。
それは、“温故知新”の心。偉大な先人たちの遺物だ。

その心と、自分の内側に向き合うとき、伝統を背負うプレッシャーが力に変わるのだという。
次回のインタビュー記事では、いよいよ彼の性質の、根本に迫る。

第4回>へつづく

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